Baking Diary

私の作るもの、思うこと

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古い中華料理


私が好きな事のひとつに料理書を読むというのがあります。
引っ越しの時にだいぶ整理はしたものの元の家に置きっぱなしにしているものも多く、たまに帰っては必要なものを入れ替えたりしています。本というのは数が集まると重たいしかさばりますが、特に洋書などは手放したらもう読めなくなってしまうのでやはり処分は出来ません。将来自分の家を建てたらキッチンライブラリーが欲しいなどと夢を見ています(夢で終わりそうですが)。

さて、そんな私の本の中にNancy Chih Maという女性の書いた中華料理の本があります。奥付を見てみると1960年の出版。東京の出版社で出されたにもかかわらず全て英語です。価格はIn Japan \1,400 Or $3.95とあります。今では信じられませんが、1ドル360円の固定為替の時代に出版された本なんだろうなあと思います。
この本は不思議な縁で日本の古書販売の方から手に入れたものですが、あの時代どういう人がこれを買って読んでいたのか気になるところです。装丁もアートワークが美しいハードカバーだし、1,400円と言えば今の料理書と変わらない値段です。当時としてはかなりの豪華本だったんじゃないかと。
1冊の本の裏側に沢山の事が読み取れる、古い本を読むのはやっぱり楽しいです。


本は古くても料理はおいしいのです。
現代中華は沢山の調味料を使った複雑な味のものが多いですが、この本の料理は醤油と酒を使ったシンプルなものが殆ど。さすがに盛り付けなどは古めかしい感じですが、潔い味付けは私好みです。
昨日はこの本の中から塩鮭と大豆の煮込みを作ってみました。
今では見られない古いタイプの料理なのでしょうが、ふだんは豆類が得意ではない夫もおいしい!と言ってよく食べていました。



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(大体4人分くらい)

  • 塩鮭:4きれ
  • 薄力粉:大さじ1くらい
  • 大豆缶詰:2缶(真空パックのようにして売っているもの)
  • 長ねぎ:1本
  • 生姜:ひとかけ
  • ごま油:大さじ4
  • 砂糖:大さじ1
  • 醤油:大さじ3
  • 酒:大さじ2
  1. 塩鮭は水に15分ほど水に浸して塩抜きをする。
  2. 酒の水気をペーパータオルなどで拭き取り、薄力粉を薄くまぶす。
  3. ごま油大さじ1を中華鍋に熱し、鮭をさっと焼いて取り出しておく。
  4. 残りのごま油を熱し、薄切りにした生姜、一口大に切ったねぎを加えて香りが出るまで炒める。そこに大豆を加えてさらに炒める。
  5. 焼いた鮭を戻し入れ、砂糖・醤油・酒を加えて蓋をし、弱火に落として10分ほど水気がなくなるまで弱火で煮る(水分が少ないので焦げないよう注意)。

*Nancyさんの元のレシピでは豆をゆでるところからでしたが、私は手軽な大豆水煮缶を使いました。ネットで調べたところ、Nancyさんは東京にお住まいで90歳を超えてもまだお元気で働いてらっしゃるそうです。すてきですね。

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